縦書きのItalics

どれが正しいかを考える。

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Italicsは斜体とも訳されるが、厳密には違う。Wikipediaにある通り、手書き風の字体のことで、専用の字形を示す。これに対して斜めに変形したものはObliqueあるいはSlantと呼び、これが斜体のこと。だから、日本語には、斜体はあるが、Italicsはない。

斜体は変形して作るので、傾ける向きも角度も自由で、「正しい斜体」というのはない。

欧文でItalicsがない書体ではObliqueを使うことが多い。CSSのfont-styleでも、italicsがない場合にはobliqueを使う、とある。この流儀に習い、ワープロなどでItalicsを指定した時に、一般的で欧文との組み合わせが良い斜体を組み合わせたことから、日本語のItalicsが始まったのだと思う。

これが縦書きとなると、少し話が厄介になる。文字によって向きが違うので、正しいObliqueの向きが難しい。一般的には右上がりだが、欧文と組み合わせるには左上がりがよい。それに加えて「日本語にはItalicsはない」という意見もあるから、難しい。

  1. 日本語にはItalicsがなく、Italicsと斜体は異なるので、正字体を使う。欧字も合わせて標準体を組み合わせたもの。標準体との区別がつかないし、CSSの定義にも反する。欧文を組む時にも都合が悪い。
  2. 和字は正字体だが、欧字はItalicsを使う組み合わせ。欧文は組めるようになる。
  3. 縦書きの斜体は右上がりが一般的だ、というのに合わせ、欧字も正字体を右上がり。日本語組版としてはありかもしれないが、欧文を組む時には切り替えないといけない。
  4. 和字は右上がりに、欧字はItalicsの組み合わせ。切り替えは要らないが、組み合わせが悪い。
  5. 和字を右下がり、欧字も合わせて正字体を右下がり。組み合わせとしては良いが、欧文のみの時にItalicsを使えないので、やはり切り替えが必要になる。
  6. 和字を右下がり、欧字はItalicsの組み合わせ。欧字は別字体なので角度が微妙に合わないこともあるが、和文と欧文の切り替えをしない前提で考えれば最も問題が少ない。
  7. 和字には横書きの斜体を、欧字も正字体に対して同じ斜体をかけたもの。ありえなくないが、欧文では困る。
  8. 和字には横書きの斜体を、欧字はItalicsの組み合わせ。切り替えは要らないが、組み合わせがおかしい。

こうして考えると6が最も適切と思えるが、なかなかそうも意見が合わない。

Windowsのメイリオフォントは恐らく「日本語にはItalicsはない」考え方から、フォントのレベルで2を実装してしていて、Italicsを指定すると正字体が表示される。アプリケーションでそういうオプションがあってもいいと思うが、フォントで実装してしまうと選択肢がなくなってしまい、使いづらいフォントになってしまう。

MS WordでItalicsを指定すると6になる。今のWebKitは特別な処理を何も入れていないので8になる。2、6、8以外の組み合わせは想像上の産物で、実装はない…と思うのだけれど。

これに縦中横を組み合わせると、話がもうちょっと厄介になる。正字体を縦中横した上で、斜体にするか、とか。

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